Pさん、また楽器買ったんですか

国内各地に神出鬼没で生息地不詳と専ら噂のP氏がボケ防止のために始めた駄文の肥溜め

楽譜専用端末「GVIDO」を1年使ってみた

楽譜専用電子端末「GVIDO」を買って1年ちょっと経ちました。

 

pzvagyok.hatenadiary.jp

 

この目新しいアイテムのおかげで、珍しもの好きが寄ってきたり、値段をググられてドン引きされたり、外国人プロ奏者から「海外でもぜひ売って欲しい!」と言われたり、いろいろと楽しい思い出ができました。100万のサブ楽器よりも使用頻度が高く、自分なりにかなり有効活用できているのではないかなと思います。

 

じつはこいつのソフト面も地味にアップデートが重ねられていて、今は購入当初よりもだいぶ便利にあつかえるようになっています。例えば…

 

■楽譜データのインポートがUSB→Wi-Fiでできるようになった。

某リンゴマーク米企業の音楽管理ソフトウェアの楽譜版だと思うと早いですが、本当に楽譜のインポートが簡単になりました。PCで専用WebサイトにPDFをアップロードして転送設定を行ったら、あとは任意のタイミングでGVIDO本体を操作しダウンロードするだけ(Wi-Fi環境が必要)。もう充電以外でUSBを使う必要はなさそうです。

 

■ページめくりに新パターンが追加

個人的に欲しかったページめくりパターン「スライド」が実装されました。今までは2画面左右に

12→34→56…(通常)

12→32→34→54→56…(先読み)

と表示していくパターンくらいしかなかったのですが、ついに

12→23→34→45→56…

という順番で譜めくりする「スライド」方式の登場です。

これにより、A4の譜面を右から左へ流していくような(製本前みたいな)譜読みが可能になり、先読み方式のような大きい視点移動も、前のページに次のページの楽譜を書いておく、などという作業も不要になりました。

 

というわけで、だんだんと開発が進んで便利になっていっている感じがします。

 

これまではいいことばかりを述べてきましたが、当然ながら「これは紙譜面の方がまだまだ有利だなあ」と思う点もいくつか…。

 

・本体の大きさと重量

やはり何といってもこれでしょう。イメージとしてはあの白くて分厚いアーバン教本(金管吹きはわかる)よりちょっと軽くて薄い程度なので、折りたたみ式の脚が細い譜面台に載せるのはやはり怖いです。風も怖いので外では使いません。

譜めくりがそこまで大変じゃない曲が2〜3程度、というような本番であれば、わざわざGVIDO出さなくてもそのまま紙の譜面でやっちゃう方が軽い&かさばらない&電子化の手間もいらない、なんてこともあります。

一方で、曲数が多い、譜めくりが頻発、という本番の場合は確かに重宝します。

 

・処理がたまに遅い

アップデートを重ねてかなり改善はされていますが、譜めくりの操作、タッチペン操作等をしてからの処理がやはりお世辞にも早いとは言えないですね。譜面がまだ表示されていないのに曲が始まってしまった、なんてこともたまにありました。譜めくりは上記の先読み方式等で対応できますが、舞台に入場してからの立ち上げでは間に合わない可能性もあります。充電切れを気にしなくていいくらいバッテリーを万全にして、開演前から付けっ放しにしておくとかで対応した方が良さそうです(満充電であれば電源入れっ放しにしてても相当時間は持つのでその辺は問題ないです)。

 

これらはあくまで、自分個人が不便に感じた点にすぎないので、いわば機械系の「特性」ともいえます。その(紙とは違う)特性を十分に知った上で、ユーザー側がうまく使いこなすことが大事なのかもしれません。

 

総じて、あの金額を出すだけの価値はあったと、買ってよかったと思っています。紙の管理がものすごく苦手な人間としては、なくした、かさばる、製本してない、等のストレスから解放されただけでもだいぶ快適です。気が向いたらまた続報投げるかも。